旅の案内人・リターンズ

「NPO江戸東京文化研究会」のスタッフ日記です。観光案内にないような話も…

2012年02月

赤坂・美喜井稲荷‥猫!

mikii_1miki_3さぁ、困ってしまうお稲荷さんの登場です。赤坂・美喜井稲荷神社(みきいいなりじんじゃ)は青山通り・有名な「虎屋」の裏手に鎮座しています。通りの反対側には「豊川稲荷東京分院」という大物の稲荷社が鎮座しているのですが‥。写真左の様にビルの上階(2階)にあり、そう規模も大きくないお稲荷さんです。これだけなら都内では珍しくはないのですが‥。右の写真、欄間の部分に”猫”の彫刻が施されています。左の猫は鳥を捕まえているように(しかも片目です)、右の猫はなんやら不可思議な物体(人魂か?)を咥えていて結構グロテスクです。

mikii_2mikii_4この稲荷さんにはきつね像がありません。一瞬「鼻の欠けたきつね」かと思いましたが、どう見ても「猫」です。なんだって猫が稲荷さんに‥?境内に由緒らしきプレートがありました。
そのまま記載すると‥『美喜井稲荷のご守護神は京都の比叡山から御降りになりました霊の高い神様です。この神様にお願いする方は蛸を召し上がらぬこと。この神様を信仰される方はなにも心配いりません』。京都の比叡山??蛸を食べるな‥?残念ながら由緒がイマイチ理解できません。どうも伏見系(神社系)とも豊川系(仏教系)の稲荷社とも系統が違うような気がします。なんとも不可思議至極な稲荷神社です(!)

北の丸公園の銅像

rin2rin1戊辰戦争時から明治中期に数奇な運命を辿られた『北白川宮能久親王』の銅像は東京国立近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部)の敷地内にあります。伏見宮那家親王の第9皇子として誕生、上野寛永寺の輪王寺宮となり、上野戦争では彰義隊に擁立され徳川幕府側の立場となり、上野戦争後は奥羽越列藩同盟の盟主とされ、同盟崩壊後は蟄居・謹慎の憂き目となってしまいました。

rin3rin4明治維新後は北白川宮家を相続し、陸軍将校として軍役につきます。日清戦争後の1895年に近衛師団長として台湾に出兵、その地で満48歳でマラリアにより病没され、皇族が外地で没した最初の例となっています。
写真左は『北白川宮能久親王』の騎乗像で躍動感に溢れる銅像です。写真右は『小松宮彰仁親王』で上野公園にあります。以前にも触れましたがこのお二人は兄弟ですが、戊辰戦争の東北の戦いでは敵対する大将同士となっています。歴史は時として皮肉なめぐり合わせとなってしまう事があります‥。

上野公園・花園稲荷神社

uenost11uenost12上野公園の「上野精養軒」の近くに「花園稲荷神社」があります。「五条天神社」と隣あっているのですが、縁起から察するとお互いに摂社や境内社の関係ではなく天神様が後から来たようです。両社とも参道が2ヵ所づつある造りになっています。この花園稲荷社はかなりの古社とされ、正しくは忍岡稲荷(しのぶがおかいなり)と称し石窟の上にあったことから俗称で「穴稲荷」とも言われていたそうです。

uenost16uenost15創建は承応3年天海大僧正の弟子により廃絶していたお社を再建したとものとされます。彰義隊の上野戦争時には”穴稲荷門の戦”として大激戦の地となったそうですが‥。上野戦争は一方的な殲滅戦なので”激戦地”と言われても?です。※こちらが旧社殿だと思われます。鳥居から進むと、奥に別のお社があり、きつねの人形‥お姿でいいのでしょうか(?)‥が並んでいます。

uenost14uenost13こちらが「お穴様」です。このお社は「弥佐衛門狐」なる狐が寛永寺ができると住む所がなくなって困るとのことで祀ってもらったという云われがあるそうです。ちょっとした洞窟があると”狐の穴”となるようです。昔はこの辺にも多くの狐がいて、人にも身近な存在だったのでしょう。それにしても呼称の変遷が多い稲荷神社です。「忍岡稲荷」が「お穴様/穴稲荷」と呼ばれるようになり、明治の再興時に「花園稲荷」と改名したとの流れで良いのでしょうか‥(?)

上野動物園は¥600/大人

uenost4uenost5上野動物園。正式名称は『東京都恩賜上野動物園』です。東京都の動物園ですが運営は「公益財団法人東京動物園協会」に委託されています。1882年3月の開園なので日本で最も古い動物園となり、在籍(?)する動物種は500種を超えこれも日本一なんだそうです。正面ゲートを入って右側に超大物の”パンダ様”がいらっしゃいます。通常、大物は奥のほうに鎮座しているのですがここでは”いきなり”です。それにしてもなんかこのパンダ小さい様な気がしますが‥。まだ子供なんでしたっけ(?)。〔パンダ舎前は”フラッシュ撮影禁止”になっています。最近のデジカメはオートになっているので困りモンです〕。虎や象などの幹部クラスはそれなりの見せ姿をしていますが、ライオンはいけません(!)。幹部のくせして怠惰そのもので動作が年寄り臭くていけません。一番愛想が良いのはやはり猿山の住人達です(笑い)。それにしても鳥類が多いですねぇ。これで水増しての500種をキープしているのでしょうか?‥動物園の存在は”今風の娯楽”ではないのかも知れません。映像やPCグラフィックでもなく、フェンスの向こうとは云え動物達が見られるのは素敵なことですね‥

銀座のきつね・幸稲荷神社

saiwai_2saiwai_1”さいわいいなり”と読んで差し支えないと思うのですが、中央区銀座1丁目の幸稲荷神社です。
こちらも花の銀座らしくビルの間にこじんまりと鎮座しています。中央区の資料で調べたのですが神社の由緒らしきものは”詳細不明”になっていますが、江戸時代からこの地にあり、昔太刀の市がたったため太刀売稲荷と呼ばれていたそうで銀座1丁目の護り神だそうです。
写真でも分かるように鳥居があって銀杏の木があって本殿と実にコンパクトな造りです。本殿は金網でガッチリと保護されていて、お参りは金網越しとなります。ご覧のように松飾りがあったりお神酒が供えてあったりで、それなりに大事にされている神社さんのようですが、金網がここまで厳重だと、果たしてこれは保護が目的なのか脱走できないように囲っているのか微妙な感がしてきます。

日比谷公園の鶴噴水は‥

hibiya_p東京は寒い日が続いております。”立春・暦の上では春”‥使い古された表現ですが、どこにも「もう少しで春」って感がしておりません。日比谷公園の「鶴の噴水」も見事に結氷し、噴水のある雲形池も氷が張って陽の当たらない場所では先日の雪が溶けきれずに残っています。
この結氷した池と噴水のツララが日比谷公園の”冬の風物詩”なんだそうでアマチュア・カメラマンからTVクルーまで結構な人達が訪れていました。実際池の近辺は日当たりが悪く、寒さが続けばそう簡単に溶けてしまう環境ではありません。あまり知られていないようですが、この池&鶴の噴水は都市公園の噴水施設としては”日本で三番目に古い”噴水だそうです。「三番目に‥」とは微妙な感がしますが‥。聞いた話なのですが、この日比谷公園は「公園」より「植物園」を意識して造園されているそうです。確かに言われてみればそんな気がしてきます。
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