atago_1atago_2港区愛宕1丁目の愛宕神社です。23区では珍しい自然形成の愛宕山(標高26m)の山頂にあります。徳川家康により江戸の防火の神として祀られ防火・防災に霊験のある神社として知られています。江戸時代は付近に武家屋敷が多く、武士の信仰が厚かったようです。幕末の「桜田門外の変」では襲撃した水戸浪士は品川の宿に潜伏、直前にこの愛宕神社に集結し、降りしきる雪のなかを犯行現場(桜田門)に向かっています。けっこう健脚ですね。
当時としては江戸府内では最も見晴らしのいい場所ですから、「鬼平犯火帳」などの時代小説にも登場し、「鉄道唱歌/汽笛一声新橋~」の歌詞にも登場してきます。NHKの発祥の地でもある愛宕山にはNHKの放送博物館があります。放送事業の第一声はこの地から始まっています。
神社に上がる石段・男坂は「出世の石段」と呼ばれています。‥とんでもない急な石段です‥話の由来は講談の「寛永三馬術」に登場するお話で、四国丸亀藩の曲垣平九郎いう武士が、徳川家光の「馬で梅の枝を取って来い」気まぐれな命令により馬で石段を登り降りに成功、「日本一の馬術の名人」と讃えられたという話によります。
実際に石段下から見上げると『こりゃ絶対にウソだ!』と思います。ところが江戸時代以降にも馬で男坂を登り降りにチャレンジして成功した方が数人いるそうです。”チャレンジャー”はいるものですねぇ。