

乃木将軍ほど評価の分かれる軍人も珍しいでしょう。司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」や吉村昭氏の「海の史劇」では無能な将軍として描かれています。神社内資料館では自殺時に使用した刀などが展示してありますが、さすがに西南の役で敵に「軍旗」を奪われて笑いものにされた事件も、日露戦争・旅順・203高地攻略戦では10日間の戦いに64000人の兵を投入、戦死5500名、負傷11800名の犠牲者という具体的な事実にも触れていません。
これだけの犠牲者をだした将軍を死して「神」としたのもこの時代の必要性だったのでしょう。境内社の正松神社には吉田松陰が祀られていますが、この方も有名な割には本人の功績はたいしてありません。