今年、妻沼聖天山・本殿は国宝に指定されました。「埼玉の日光」だのと随分と謙遜した表現をしているようですが、ともかく国宝に指定された事は埼玉県で生まれ育った身としては嬉しく思います。以前にも述べましたが、徳川家の威信にかけ、人・金・時を費やした建造物に対し、こちらは地元に住む方々の素朴な信仰心がお寺の歴史を綿々と支えてきました。「日光東照宮」と比べる事には”意味”を感じません。むしろ日光東照宮建造時には発展途上だった彫刻や建築の技術が円熟期を迎え聖天山に結集しているように思います。こちらは修復にあたった=㈱小西美術工藝社=のHPです。是非ご覧になって下さい。
http://www.konishi-da.jp/index.html

b_1b_3本殿の正面右方向、森の中に昭和33年完成の「平和の塔」があります。十一面観音が本尊として祀られているそうですが、塔を囲む池の水が澱んでいたり子供用の遊戯設備がさび付いていたりで、荒れた感があります。右)宝暦11年の完成の「鐘楼」です。現役で朝な夕なに時を告げているそうですが…(?)やはり荒れ感があります。熊谷市も民間任せにせず徐々にでも整備してほしいものです。この熊谷市は、昔は高校野球の名門校もありましたが今は見る影もなく、最近は『日本一暑い街』などと妙なアピールをしています。たいして旨くもない銘果(?)『五家宝』と三流武将の『熊谷直実』で”やや”知られている程度の市です。ここ妻沼地区は熊谷市に併合された町で、町村合併したら”国宝が付いてきた”とはラッキーなのか、金のかかる嫁さんをもらったのか…どちらなのでしょう?。

e_1e_2聖天堂・本堂から徒歩5分程に『歓喜院本坊』があります。これらを含めてが「聖天山」です。
左)が本坊本堂の山門です。こちらには聖天山を開いた「斎藤別当実盛公」が本尊とした祀られているようです。山門脇には鎌倉時代の代表的な供養塔があり、彫られている善光寺式三尊像板碑は学術的にも価値が高いとされているらしいのですが、風化が激しく良くは読み取れません。県指定の文化財だそうです。

d_3d_1左は地元の有志の方により、空家の民家を利用した「無料休憩所」で、お茶などを振舞っていただけます。自分達が生まれ育って地域で、子供のころから散々駆け回った聖天さんが国宝に指定されるなどとは、まだピンと来ていない様子です。ボランティアを募って無料案内などされているようですが、「観光の人が大勢訪れて、街が賑わって欲しい」…利権が絡むとあらぬ方向に進んでいくものですが、そうはならないように願いたいものです…。右)ご覧の様子が”メインストリート”の風景です。

食事処です。けっしてこれで全部ではなく、中門から入って参道脇の3店です。聖天さまの名物と云えば”でかい稲荷寿司”だそうです。写真右の「聖天寿司」が有名店との情報でしたが、この日は店内混雑で食べることはできませんでした。c_1c_2c_3