082901
どうしたはずみなのか、昨今”オールド・ビッグネーム・バンド”関連の書籍の発売が続いているようです。こんな新刊を手にすると…やはり読みたくなるんですよねぇ。
で、見切れていますが右は『ザ・ビーチボーイズ・ディスク・ガイド』…荻原健太著、ミュージック・マガジン増刊、¥1800です。ザ・ビーチボーイズは今年で結成50周年(!)。CDの新譜は出すわ、勢いで来日公演までするわのとんでもない”ジジイ達”なのですが…。グループ名に似合わないドロドロな人間関係を乗り越えた(?)のは、ただ時が流れたせいなのでしょうか…?この書籍はタイトル通り、発売されたCDを年を追って解説しています。CDの解説としては、実にオ-ソドックスな編集ですが『ペット・サウンズ』と『スマイル』に固執していないところに好感が持てます。

中)は『プロファイリング!ザ・ビートルズ・サウンド』…不破寿夫著、幻冬舎ルネッサンス、¥1800という書籍です。ビートルズ関連の書籍は毎年の様に新刊が出ますが、殆どネタが出尽くした感があり、ひどいのになると楽曲をコンピューター解析して、どうたらこうたら…墓を暴くような内容は著者の頭の中身を疑う書籍(挙句にやたら高額)もあります。
またかの感じでこの本を手に取りましたが…。筋金入りのビートルズ・ファンのお歴々にも十二分に楽しめる内容です(!)来日公園時(1966年)に高校生という事は、63or4歳でしょうか?さらに長らくレコード制作会社にお勤めとあります…。この”レコード制作会社勤務”というのがポイントです。リバプールのチンピラバンドが世界的なバンドに成長してゆく過程が、レコード販売プロモーションから捉えたお話は「さもありなん」と感心します。さらにはご本人の青春の日々…こういう若者が日本中にどれだけいたことでしょう!
自分の青春と重ね合わせて嬉しくなります!この本はお勧めです!保証付きで楽しめます!¥1800以上の価値はあります!

とまぁ、お勧め本でしたが…。
私感として格段にお粗末なのが、『ローリング・ストーンズを聴け!』…中●康●著、集●社インターナショナル、¥1470です。
だいたいがストーンズにはコアなファンが多く”聴け!”などど偉そうなことを言うと確実に突っ込まれます(笑)。Webから情報を集めて羅列したような内容で伝記本でもディスクガイドでなく、ファン歴の浅い方にもコアなファンの方にも物足りないでしょう。当時の英国、米国さらには日本のレコード音楽産業界やレコード会社とバンドとの関係などは、前述の『プロファイリング!ザ・ビートルズ・サウンド』に書かれている内容の方が格段に面白いです。正直3冊の中で購入を後悔したのがこのストーンズの本です。あくまで個人的意見ですが…買ってはいけません(笑)。この著者は他に「マイルスを聴け」とか「ジョン・レノンを聴け」とか果ては「桑田を聴け」等、タイトルだけ見ても支離滅裂です。ビートルズ関連の著書でネタに詰まったのでストーンズへシフトしてきたのでしょうか?