130831_03130831_04秩父・三峰神社のご祀神はイザナギ・イザナミの命とされています。2神を祀神とする神社は全国に多々ありますが、三峰神社では神使(もしくは眷属)が狼(山犬)となっています。鳥居を守るのは”狛狼”は珍しい例ではないでしょうか?三峰神社では江戸時代中期より山岳信仰の修験者により狼信仰が広められていました。この時代は秩父地方では狼はごく身近な存在だったのでしょう。上の”狛狼”は拝殿下の神木に並んでいます。顔が細めで狐の様な感じもありますが、間違いなく狼です。この石段は”築地三峰講”の寄進とあります。『講』とは、皆が共通の神仏を祀って神社仏閣に参詣する組合組織ですが、農耕民族である日本人は寄り添って協力し無ければ暮らしていき難かったので広まっていきました。

130831_06130831_07三峰信仰の中心をなしているのが御眷属(山犬)信仰です。 この信仰については、神社の「社記」には…享保年間、日光法印が山上の庵室に静座していると、山中どことも知れず狼が群がり来て境内に充ちた。法印は、これを神託と感じて猪鹿・火盗除けとして山犬の神札を貸し出したところ霊験があったとされる…とあるようです。山間の人々には農作物の猪や鹿による作物被害は深刻で、これらを追い払ってくれる狼の存在は心強かったのでしょう。時代が下がり三峰講が江戸の街まで広がると、さらに火災除や盗難除など都市部ならではのご利益が加わっています。

130831_01CIMG0153左は境内入口の「三ッ鳥居」です。こちらにも白い狛狼が守っています。この鳥居は明神型鳥居を三組組み合わせています。全国的にも珍しい形式の鳥居で奈良の大神神社(オオミワジンジャ)が有名らしいのですが…。左の東京・墨田区の牛島神社にもこの形式の鳥居があります。


風雪に耐えた狛狼です。折れ耳の様子など「犬」に見えないこともありません。三峰神社境内には此の他にも多くの狛狼があります。明治年間に絶滅したとされる日本狼は、シベリア狼とは異なり剥製で見る限りは大型の柴犬程度の大きさです。三峰講の伝承での狼は日本狼種なのが野生化した犬なのか判らない部分があります。
130831_09130831_10130831_11