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小泉八雲が「臥遊奇談」を典拠とした作品集「怪談」にもある『耳なし芳一』の舞台はこの赤間神宮です。赤間神宮が阿弥陀寺だったころ、盲目の琵琶法師・芳一は夜な夜な現れる武士に請われて多くの貴人達の前で琵琶を所望され”壇ノ浦の戦い”のくだりではすすり泣く声が聞こえてきました。宴は数日間続き、不審に思った和尚が平家一門の墓所の前で琵琶を奏でる芳一を発見、怨霊避けに全身に般若心経を芳一の全身に書き込むも耳だけ書き忘れ、平家怨霊に耳だけを持っていかれてしまったという話ですが・・。考えてみれば平家の怨霊とされる者たちは、怨霊でもなんでもなく自分たちが滅びていくストーリーを聞きたかっただけで悪いことはしていません。戦には負け一門は崩壊状態、挙句に”怨霊”扱いとはあまりにも不憫です。
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