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【福岡&山口研修の最終回】は福岡市の香椎宮(かしいぐう)です。ご祀神は仲哀天皇と神功皇后とされていますが、元々は九州熊襲征伐のおり、敵の矢に当たり仲哀天皇が死去した地であり、古代は神社ではな陵墓と神社の中間の「廟」とされ「香椎廟」と称したようです。平安時代以降は神社の性格を有し、戦前の社格制度では「官幣大社」に位置付けられ、現在でも「勅祭社」となっています。「霊廟」から「神社」へと変遷するのはそうあることではなく珍しい例です。
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拝殿が手前に伸びている形式は下関・住吉神社と似ています。社額と賽銭箱の位置にも屋根が設けられているのが特徴でしょう。Pt↓)の本殿は「香椎造り」と称する建築様式で、亨和元年(1801)に再建されたものです。国の重要文化財指定され、この建築様式は日本唯一の建築なのだそうです。神門手前には神功皇后(じんぐうこうごう)が西暦200年にお植えになったという御神木の綾杉(あやすぎ)があります。新古今和歌集にも「ちはやふる香椎の宮のあや杉は神のみそきにたてる成けり」と詠まれており、 夏目漱石も「秋立つや千早ぶる世の杉ありて」で対抗しています。
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