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昨今のTVドラマや日本映画の原作は漫画作品が元になっているものが沢山あります。話としては逆ですが、驚いたのがイザベラ・バードの『日本奥地紀行』を元とした漫画があるんですねぇ。【イザベラ・ルーシー・バード】は19世紀のイギリスの旅行家&探検家で驚くほどの行動力を持った女性です。著書『日本奥地紀行』は明治11年6月~9月に日本人通訳兼従者一人を伴って東京~粕壁~日光~会津街道~新潟を歩き,最終的にアイヌ文化を訪ね北海道まで続きます。本に描かれた日本人でさえ知らない明治初期の一般日本人の生活模様にはいろいろと驚かされたりします。
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明治初期頃には多くの外国人が好奇の目を持って日本滞在記を表していますが、多くが横浜や神戸での生活が描かれ、明治維新の混乱も消えぬ時代に日本人ですら関心のなかった日本人の生活が描かれた女史の著作は異質です。イギリス人女性らしい上から目線も見られますが、後年に訪れた『朝鮮紀行』の記述に比べれば日本人の生活文化は好意的に書かれています。漫画【ふしぎの国のバード】ではバード女史は若い女性として通訳兼従者もイケメン風に描かれています。北海道までの『奥地紀行』は女史47歳の時なのですが、中年のおばさんと胡散臭い通訳兼者では絵(漫画)にはなりませんので、これは良しとしましょう(笑)。まさか『日本奥地紀行』が漫画になっているとは思いもよりませんでした。明治11年10月からの伊勢、京都、大阪、神戸編に続くと面白いのですが、女史が最低最悪の都市とした1894年頃のソウルの『朝鮮紀行』となると悲惨なことになりそうです(笑)