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70万㎡と広大な面積の「明治神宮」は明治天皇と昭憲建皇太后が祀られています。明治天皇は大正元年(1912)7月30日に満59歳で糖尿病による合併症で崩御され遺言により京都伏見桃山陵に葬らますが、明治天皇を崇敬する人々の「東京にも神宮を」との運動により彦根藩下屋敷であった代々木に神宮が造営されます。造営は大正4年(1915)に始まり全国から青年団の勤労奉仕により日本各地や朝鮮半島・台湾からの献木365種約12万本が植えられ、広大な鎮守の杜は建立から100年後に自然林となることをを想定して設計されています。つまり2020年の今が当時の人達が想定した『自然の杜』なのです。
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社殿の多くは戦災で焼失し再建されていますが、オリジナルは明治から昭和期の建築家「伊東忠太」の作品で、氏の作品としては樫原神宮・平安神宮・宮崎神宮・弥彦神社・靖国神社遊就館や神門、高麗神社・築地本願寺・湯島聖堂などがあります。神社建築の形式なのでしょうか明治神宮・宮崎神宮・弥彦神社は構造や配置がそっくりでなのは驚きです。
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明治神宮の大鳥居(二の鳥居)です。形式は明神鳥居、高さ約12m・柱の径1.2m・重さ13tあるそうです。初代は大正9年(1920)の造られています。昭和41年(1961)に落雷により破損、再建するにはこれだけの大鳥居を造る檜材は日本にはありませんでした。再建された鳥居は材木商を営む某氏の奉献によるもので、初代大鳥居の檜材と同じ台湾の丹大山の樹齢1500年超えの檜を大変なご苦労をもって運ばれたもので昭和50年(1975)に完成しています。因みに落雷で破損した初代の檜材は大宮氷川神社の二の鳥居となっているそうです。
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神門手前が明治神宮・南玉垣鳥居(三の鳥居)です。6年の歳月をかけて2016年10月に竣工したものです。建替えは清水建設が担当し基礎を除いての木造で高さ約8mあります。オリジナルは二の鳥居と同様に台湾産の檜材でしたが再建では木曽の王滝村からの檜材を使っています。
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