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埼玉県さいたま市大宮区高鼻町の武蔵一之宮「大宮・氷川神社」は埼玉・東京・神奈川に200社以上ある氷川神社の総本社です。祀神は須佐之男命 (すさのお の みこと)・稲田姫命 (いなだひめ の みこと)・大己貴命(おおなむち の みこと)の神々です。創建は第5代考昭天皇(欠史8代天皇で実在は疑問)3年との伝承があり、第13代成務天皇の時代に出雲族が移り住んだとされます。「氷川」は出雲の「斐伊川」に由来するようです。
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「大宮・氷川神社」は古社ならではの謎の多き神社です。鎮座地のさいたま市には大宮氷川神社(須佐之男命)・氷川女体神社(稲田姫命)・中山氷川神社(大己貴命/大国主命)の三社が約3㌔間隔で直線状に「見沼」の台地の淵(舌状台地)沿って並んで鎮座する構造が見られます。これも珍しいのですが、多くの氷川社では須佐之男命だけが祀られる例が多く、稲田姫命だけ大己貴命(大国主命)だけを祀る例は少なく3神が一緒に祀られる氷川社は殆んどありません。旦那と奥方と娘婿(日本書紀では子供)が一緒に祀神の「大宮・氷川神社」は珍しい例なのです。
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古事記と日本書紀での伝承は異なりますが、須佐之男命 となれば「八岐大蛇」神話です。稲田姫命は須佐之男命に大蛇から助けられた娘で、後に「神」となり須佐之男命 の妻になりますが、これ以降に神話に登場することはほぼありません。大己貴命は古事記では稲田姫命と須佐之男命の6世代後の家系の娘婿(日本書紀では子供)で、須佐之男命の娘との結婚騒動ではオヤジからメチャクチャな苛めを受けます。人間関係(神様関係)グズグズの神々が一緒に祀られるのは考え難いのですが…。
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社殿の裏手には近年まで禁足地で非公開だった「蛇の池」があり、湧水が湧くこの場所が氷川神社発祥の地だったとあります。湧水の地に神社創建は至極ありがちな伝承です。社殿東側の「門客人神社」は元は荒脛巾(あらはばき)神社と呼ばれ先住の民の地主神が祀られています。この先住民を追い遣ったのが出雲族のようで、よくある征服者による主祀神の交代があったのでしょう。被征服者の為の神社とは如何にも日本的な話です。
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古代このあたりは台地の淵で浦和・川口方面へ広大な「見沼」という沼地が広がっていました。約3㎞間隔で大宮・氷川神社、中山氷川神社、氷川女體神社(Pt)が並んでいますが、行ってみると氷川女體神社の方が地形的に古代人が集落を造る場所としては条件的に適した場所なのです。丘の上、広大な沼地、豊かな水、竜神の伝承。むしろ氷川女體神社のほうが元々の氷川神社だったのかも知れません。拝殿の社額には「武蔵一之宮」とあります。
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話は変わりますが…。「大宮・氷川神社」は約2㎞続く欅参道を含め約3満坪の広さがあります。正月には大國魂神社を凌ぐ約220万人の初詣者が訪れるようです。困ったことには多数の参拝者が訪れる割にはトイレ設備が最悪も最悪です。本殿近くに1箇所と狭い駐車場に最低レベルのトイレの2箇所だけです。見落しがあるにしても、某テレビ局の協力で神池の掃除作業ができたので経費予算枠に余裕はあるでしょうに!武蔵国一之宮がこの程度とは残念至極です。
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