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ブームと言えばそれまでですが、昨今はTVの情報もあってスタンプ(御朱印)集めやパワー・スポットなる意味不明な言葉に踊る方々がいます。TV情報でチョチョイと出かけてご祀神も知らずにお参り、スタンプをいただいて、美味しいもの食べてお土産買って…。それはそれでいいのでしょうが、TVでは放映せず観光業の対象にもならない神社は数知れずあります。埼玉県児玉郡神川(かみかわ)町二ノ宮にある武蔵国五宮・金讃神社(金佐奈大神)もその一社です。正直、埼玉県にこんな神社があったのかと驚きました。
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関東平野が東京23区から浦和辺りまでが海だった頃、秩父山系の淵には農耕狩猟や渡来人達の集落が点在していました。今に残る古社の多くはこの人々の鎮守だった歴史もあります。武蔵国六社に名を連ねる「金讃神社」はそれとは様相が違うようです。埼玉県児玉郡神川(かみかわ)町が何処なのかまったく知りませんでした。ほぼ群馬県ですが電車利用だとJR八高線児玉駅or高崎線本庄駅です。どちらの駅からも遠く不便なのが知られざるの理由なのでしょうか?
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延喜式記載の旧官幣社で古社で「金讃/かねさな」は砂鉄を意味する「金砂」を語源とする説もあります。和同開珎での銅の産地にも近く金属の産出を得手とする人々が住んだのでしょうか?社伝では創建は日本武尊が東征の際に火打金を御霊代として納め天照大神と素戔嗚尊を祀ったとあり、この辺りは”そうですか!”としか言いようがありません。神社は御嶽山々麓にあり拝殿後方の「御室山」をご神体としています。山自体をご神体とするのは諏訪大社、奈良の大神(おおみわ)神社、米子の大神山神社など極々少数なのです。
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国道462号線沿いに一の鳥居があり、200mほどで二の鳥居、さらに進んで駐車場&トイレ、少し歩いて社務所、神橋。コンビニ、売店、自販機すらありません(!)。そしてこの鳥居です。形式自体は「明神鳥居」なのですが、鳥居の左右は玉垣ではなく柵状になっています。結界の強さを表現しているのでしょうか?。見たことのない神社形式なので期待度が増してきます。煌びやかな神社とはかけ離れた自然信仰の神社がここにあります。
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駐車場の右側の小高い場所に「金讃神社多宝塔」があります。経年変化と天候加減で総朱塗りとは言い難いですが、三間四面、柿葺、高さ約14mあり天文3年(1534)地元の武士団の安保弾正全隆による建立とあります。明治45年に国の重要文化財指定されています。神社に多宝塔は妙な感じもしますが明治以前の「神仏習合」時代の建立なので珍しいことではありません。見落としがあるかも知れませんが金讃神社には「狛犬」がありません。明治神宮のように狛犬なしは珍しいことではないのですが、社歴に関連するものなのでしょうか?
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もう一つ「御岳の鏡岩」と云われる国の天然記念物があります。拝殿脇から整備された階段を300mほど登ると、長さ約4m、幅約9m、傾斜約30°の「赤色石英片岩」の岩盤が露出しています。約1憶年前の断層活動によるとあります。運動不足の身にはこの階段は結構きついものがあります。後で知りましたが金讃神社は初詣の人気スポットで参拝後この階段を御岳山頂まで登るのだそうです。いやはやです(苦笑)。
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神域を含めた一帯は金讃清流公園となっています。国道沿いの鳥居の先に古の自然山岳信仰が残した神社があるとは思ってもみませんでした。社史によると400mほどの場所に「元森神社」がありこちらが御室山を遥拝する金讃神社の旧鎮座地で、そちらから現在地へ遷座したようです。
・三の鳥居の裏側です。玉垣ではなく柵状になっている興味深い形式です。
・御嶽山の入口、ここから鏡岩まで300m、山頂+200mだそうです。足元は整備されています。
・駐車場のトイレです。神域全体でもここだけのようです。
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