200829_03
『古事記』では猿田毘古神、猿田毘古大神、猿田毘古之男神。『日本書紀』での「猿田彦命」は日本の八百万の神々のなかでも生まれ、功績、配偶者、死因の伝承があり、お姿のビュジアル表現もある稀有な神様です。庚申塚、白髭神社、道祖神としても全国区的に広まり、全国には「猿田彦大神」を祀る神社は約2000社あるそうですが、実際には「猿田彦神社」を掲げる神社はかなり少ないようです。
200829_02
東京メトロ丸の内線・新高円寺駅から徒歩5分程度、杉並区南阿佐ヶ谷にある「猿田彦神社」も東京では珍しい例になるようです。日中35℃を超す真夏日では「猿田彦」ならぬ「猫田彦」もぐったりと伸び切っています。見るからに高齢のご様子、猛暑を乗り切ってほしいものです(笑)。
200829_05
猿田彦神話としてはに瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の天孫降臨に際して道案内をした神として知られて、導きの神、旅の神として知られています。そんなことから杉並・猿田彦人神社は天孫降臨に瓊瓊杵尊を主祀神とする神道系の「太道教(たいどうきょう)」が管理しています。Pt↑)
200829_04
神話での「鼻長七咫、背長七尺」の記載から「赤鼻の天狗」の原型と云われ、手塚治虫の「火の鳥」や星野之宣の「宗像教授」シリーズにも登場しています。国津神ながら天津神の道案内をする裏切り者説や元祖ストリップの神「天宇受売神」と結婚話、伊勢の海で貝に挟まれて溺れ死ぬなど神様にあるまじき伝承もあります。
200829_06
伊勢神宮の外宮と内宮の中間に猿田彦神社です。天孫降臨の道案内の後には伊勢のこの地に落ち着いたとされ、「猿田彦大神」を主祀神とする神社が造られています。この社殿は「さだひこ造り」と呼ばれる妻入造りの変形のような造りです。なんとなく現代的な造りで、しっかり見ておけばと悔やまれます(苦笑)。