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秩父地方には”ややこしい由緒”を持つ神社が多く「秩父今宮神社」もかなりややこしい社歴です。伊邪那岐・伊邪那美の二神と須佐之男命、八大龍王神、役尊神+稲荷神、弁財天、天満天神とあるのですが、元々は武甲山から湧く伏流水の「龍神池」に伊邪那岐・伊邪那美の二神を祀ったのが始まりのようです。大宝年間には役行者により宮中八神と観音菩薩の守護神である八大龍王を合祀し「八大宮」となります。
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役行者に続いて弘法大師らにより寺院、神社、観音堂等が造られ一大修験道場となります。天文年間には京都今宮神社より須佐之男命を勧請して「今宮神社」として、寺・神社を総称して「長岳山今宮坊」として繁栄します。。明治元年には神仏分離令により修験道が廃止され今宮坊も解体。その後昭和20年代から50年間は「児童公園」として開放され、平成4年に神社として復活しています。かなり波乱万丈です。
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「龍神木」と呼ばれる周囲8.7m・推定樹齢千年以上の欅の大木は県指定の天然記念物「駒つなぎのけやき」として知られ、この地の龍神の住まいとされています。仕方ないことですが樹木としての勢いは失われています。案内によると毎年5月から10月にはアオバズク(フクロウ)が飛来して営巣するとありますが、今はどうなんでしょうか?
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季節柄「枯れた雰囲気」は仕方ありません。Pt↑)は環境省による「平成の名水百選」選定された秩父最古の泉「武甲山の伏流水」により構成された「龍神池」です。原始信仰では「湧水」が崇められるのはごく自然なことです。
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「八大龍王」とは仏教の開祖・釈迦の使いで、名前だけ列挙すると…1)難陀(なんだ)2)跋難陀(ばつなんだ)3)娑伽羅(さがら)4)和修吉(うわすきつ)5)徳叉迦(とくさつ)6)阿那婆達多(あなばたった)7)摩那斯(まなし)8)優鉢羅(うはら)の龍王です。