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1970年代のビーチ・ボーイズはブライアンは不在で、新作は売れず、レコード会社との確執も顕著となります。低迷する人気の逆転ホームランとなったのが1974年のキャピトルからの『終わりなき夏/Endless Summer』です。60年代のヒット曲が満載のLP2枚組は全米№1になり、ビーチ・ボーイズの大復活が始まります。1975年に『スピリット・オブ・アメリカ』と続け、1982年の『サンシャイン・ドリーム』では大コケ(CD化なし)します。懲りないキャピトルは【25周年記念盤】で『メイド・イン・U.S.A』は発表。2塁打程度のヒットとなりました。この3作品は目新しさはないのですが、アート・ワークには思い入れに溢れています。

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『終わりなき夏』発売の時点でキャピトルはビーチ・ボーイズの全作品を廃盤にして印税が入らないようにします。その後2000年頃にしらっと登場したのが『グレイテスト・ヒッッ 1/1962~1965』・『グレイテスト・ヒッッ 2/1966~1969』・『グレイテスト・ヒッッ 3/ベスト・オブ・ブラザー・イヤーズ』の3枚です。ビートルズの青盤赤盤のパクリでしょう。キャピトルも東芝EMI(当時)も雑な仕事ぶりで、日本盤の1662~1965、1966~1969はジャケが同じで収録曲数の違うものがあり、ブラザー・イヤーズはアメリカ・ジャケに腰巻を付けただけと愛情の”あ”の字もありません。英国EMI編集の『The Platinum Collection』は3枚組で60曲収録です。なにが良いかって「Surfin Safari」が1曲目で始まらない出来の良いBest盤です。
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浜っ子伝説の妙な(面白い)CD作品で企業とのタイアップ盤(限定販売→一般販売)です。マイクとブルーズとデビット・マークス(初期メンバー)のジャケが1998.年の『Salute Nascar』はアメリカのカーレースNascarの50周年記念にガソリンスタンド限定で販売されました。珍しく「Ballad Of Ole' Betsy」が再録されています。2001年にアメリカのスターバックス・コーヒー限定販売での『Summer Cruush Songs We Love To Love』はアメリカ土産で入手。一時、恐ろしい程のプレミアがつきました(笑)。1996年の『Stars And Stripes Vol.1』ではウィリー・ネルソンなどアメリカのカントリー・シンガーと共演しています。共演といってもコーラスに徹したビーチ・ボーイズの曲が12曲収録です。何故かVol.2が続かないのですが、実は大好きなCDです。もう一枚はEMIの100周年記念での1998年の『Perfect Harmony』です。記念盤とは名ばかりで特別な点はなく未開封です。EMI100年(?)なんじゃそれです(笑)。
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1988年の14曲収録の
『The Beach Boys' Christmas Album 』に未発表曲を加えジャケも変更しての『Ultimate Christmas/クリスマス・アルバム完全版』にはMono→StereoやテイクやSEの処理の違い、さらにはUS盤と日本盤と違いがあり重箱のスミを突いたらキリがないのですがクリスマス・アルバムが日本で好セールスなど聞いた事はありません。次は1965年のアルバム『パーティ』の2015年にオーバーダビングや効果音を消したセッション音源などを2CD・81曲で『ビーチ・ボーイズ・パーティ!~アンカヴァード・アンド・アンプラグド』として拡大版で登場。『ペット・サウンズ』 に続いて1966~67年にかけて録音された未完成のアルバム 『スマイル』 の音源集は様々な商品形式で”売らん館かな”がミエミエでした。『ペット・サウンズ』と同様に神格化が顕著ですが、当時のメンバーの力量で発表なら好評価はなかったでしょう。もう1点の『1967 - サンシャイン・トゥモロウ』は『ワイルド・ハニー』辺りのテイク違い未発表曲+同時期のライブを含んで2CD・65曲の収録(!)。