旅の案内人・リターンズ

「NPO江戸東京文化研究会」のスタッフ日記です。観光案内にないような話も…

長野県

2019夏・上田城

190810_01
松本からの帰路に寄ってみたのが「上田城」です。NHK大河ドラマの「眞田丸」で人気沸騰だったのはそう昔ではなかったと思います。平成18年(2006)に日本100名城の27番として登録されていますが、松本城的なイメージでいくと愕然とします。上田城についてはイメージありきの部分が多くそのあたりの落差が激しいようです。城は天正11年(1583)に眞田昌幸により造られていますが、当時の資料は殆どなく眞田の城の造りは実はよく判らないようです。
190810_02
関が原に向かう徳川の軍勢を食い止めた上田合戦で有名ですが、関が原以降は徳川に反抗した上田眞田家は国替えとなり上田城も破壊されてしまいます。眞田家の実効支配は40年に過ぎず、今に残る城址は仙谷家によるものです。Pt↑)は仙谷氏により再建された上田城の南櫓と北櫓そして櫓を繋ぐ東虎口櫓門です。明治の廃城時に売却された2基の櫓は買い戻されて再移築、平成6年(1994)に復元されています。Pt↓)・虎口櫓門の内側の石垣にある2.5mx3mの「眞田石」と呼ばれる巨石です。・西の櫓は寛永年間に仙谷氏により造られたもので江戸時代から現存している唯一の建物です。・眞田・仙谷・松平の歴代城主を祀神とする「眞田神社」です。この城が落城したことがない事から「落ちないご利益」で知られるようです(苦笑)。
190810_03190810_04190810_05

2019夏・国宝松本城

190809_01
国内には"国宝に指定”されている城郭が2015年に松江城が加わって姫路城・彦根城・犬山城・松江城・松本城の5城あります。城マニアという訳ではないのですが、結果として今回の松本城で「国宝5城」を制覇することとなりました。日本の城郭となると㈶日本城郭協会なる団体が2006年に定めた「日本100名城」が良く知られています。さらにこの団体は2007年に「続日本100名城」を追加していて、こうなってくると地元観光産業や旅行業界と結託した臭いを強く感じます。コンクリート造りの天守は許せるとしても、資料が存在しないので”オリジナルを想像して建設しました”云われると困ってしまいます。日本100名城や続100名城にしてもその手の城址が紛れ込んでいます。
190809_08
国宝・松本城はそこらの100名城とは格の違いを見せつけられます。若い頃から近くまでは行くものの天守台に入ったことがなく、今回が念願かなっての初登城となりました。昨日のゲリラ豪雨明けとは違って青空です。開門は08:30からなのですが開門前に50人程が並んでします。天守登城には人数制限があるので急いだのでしょうか(苦笑)。この日の松本は朝から30℃位ありますが、国宝城郭ですから当然冷房設備はありません。最上階までオリジナルの急階段を吹き出す汗を拭いながら登ります。最上階は犬山城より一層高い6階建なのでさすがに今回は恐怖を感じ靴下を脱いで登りました。
190809_03
暑いのは勘弁ですが、やはり”黒い天守”には青空がお似合いです。6階からの日本アルプスや四方の山々の眺め(近くには近々国宝に指定される旧開智学校が見えます)は”いいねっ”としか表現できません。松本城は永正元年(1504)に小笠原氏により築城され石川和正父子や松平氏が歴代城主となっています。5層6階の大天守を中心に北側に乾商天守、東側に辰巳附櫓と月見櫓を持つ天守構造となっています。各々が造られた年代は違ってもバランスの悪さは感じられません。明治4年(1871)に廃城、紆余曲折をへて昭和5年(1930)に国の史跡に、昭和11年(1936)には旧国宝に指定、昭和27年(1952)に現在の国宝に指定されています。どういう訳なのか東京で暮らして、故郷があって、故郷が城下町という人達とご縁がありました。弘前、会津若松、松本…。皆、達者でしょうか?
190809_02190809_09190809_10

2019夏・松本駅で

190807_01
新宿駅構内の「アルプス広場」に金曜の夜に松本行列車に乗るために集合したものでした。松本駅には早朝の到着で仮眠なりをして上高地や美しくない”美ヶ原”へ向かって行きました。40数年前の事です。以来「松本駅」になんの御縁もありませんでした。久しぶりの松本駅は変わったというより別の駅に変貌していました。記憶にある面影など何一つありません。よく利用した喫茶店も食堂もそこにはありません。考えてみれば半世紀の時が過ぎたのですねぇ(苦笑)。
190807_04
駅から徒歩10分程の松本城公園ではよくゴロ眠をしたものです。だいたいが早朝なので天守に入ったことはありませんでした。Ptに写る空模様はどんよりしているのは、この1時間ほど前にとんでもないゲリラ豪雨があり視界はきかない傘は開けないの状態で、ようやく雨雲が通り過ぎた時間です。お堀には「逆さ松本城」ですが、このお堀は豪雨の影響でなくやたら汚れ淀んでいます。水深は浅く土砂が堆積し国宝松本城とは思えません。
190807_02
街を歩いていると、まれにPt↑)のようなマンホール(蓋)を見かけます。最近の地方自治体ではこの様なマンホール(蓋)が見られるようになりました。多くは観光名所や特産品なので当然「松本城」と思ったのですが何故か「手まり」のデザインなのです。博物館の学芸員に訊ねたらこの「手まり」は江戸時代からの松本の物産品なんだそうです。
Pt↓)昼間が暑かったのでしょうねぇ。お城の鳩が水たまりで水浴びをしていました。
190807_07190807_05190807_06

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ